Javaにおける開発・Test(Unit/Web/負荷)環境のまとめ

うちの母親でも知っているJavaにおけるオープンソースを活用した開発環境・Test環境について調査及び評価する必要があり意外と労力を要したので
これからJavaでの開発において開発環境・Test環境を構築する際の参考になればとメモしておきます。
開発環境、ビルドツール、Test、Web Testing、負荷テストに重点を置いてあります。
インストールせずに使用出来るIDEのtIDEや、jythonWebテストを記述するMaxQ、パフォーマンステストをjythonで記述するGrinder3、
Flexの負荷テストも可能なWebLOAD、Swingのテスト用のUISpec4j等、新しい発見もあったのでJava開発者の人にも参考になると嬉しいです。
それぞれライセンス、最新バージョン、個人的なお薦め度(5点満点)を合わせて明記してあります。


IDE

name URL Ver. Licence Recommend
Eclipse http://www.eclipse.org/ 3.4.1 EPL
NetBeans http://www.netbeans.org/ 6.5 CDDL/GPLV2
EasyEclipse http://www.easyeclipse.org/site/home/ 1.3.1.1 GPL
tIDE http://snowmail.sn.funpic.de/tide/ ? GPL
jEdit http://www.jedit.org/ 4.3pre16 GPL2.0
tIDE

tIDEはインストールせずにオンラインで使用可能なIDEで、JNLPファイルをJWSで実行しIDEを試せるので試してみるとなかなかおもしろいです。
こちらからtIDEの動作確認出来ます。
この発想はなかなか良いと思います。インストールもjarファイル1つなので以下で実行可能。

java -jar tide.jar


IDEまとめ

EclipseNetBeansで開発しTestを行うのが現在においては情報量、操作性ともにベストと思います。
個人的には、最近JavaFXNetBeansをよく触ってみた感想としてかなり高機能でNetBeansもお勧め。


Build Tool

name URL Ver. Licence Recommend
Ant http://ant.apache.org/ 1.7.1 ASL 2.0
Maven http://maven.apache.org/ 2.0.9 ASL 2.0
Ivy http://ant.apache.org/ivy/ 2.0.0 ASL 2.0
Gant http://gant.codehaus.org/ 1.6.0 ASL 2.0
ビルドツールまとめ

Ivyはビルドツールというより、ライブラリの依存関係を管理するもので、Antを使用して依存関係の管理を行う場合はIvyを採用してみるのが良い。
個人的には、Maven2に詳しい人がいればMaven2を採用しpom.xmlの作成を有識者に任せるのが良い。
GantはAntタスクによってビルドを実行するビルドツールだが、ビルドファイルをXML形式ではなくGroovyスクリプトによって記述することを可能にする。
Groovyが得意であれば、Gantも選択肢に入れて良い。GantにはIvy Toolもある。
Eclipseに初めから同梱されているのでAntは手軽に試しやすく、現場での使用は一番多い。
Mavenプラグインが豊富なところはかなりお勧めだが、少々難しいところがある。


Unit Test

name URL Ver. Licence Recommend
JUnit http://www.junit.org 4.5 CPL
TestNG http://testng.org/ 5.8 ASL
Unit Testまとめ

JUnitTestNGプラグインが豊富で、どちらを使用しても良いと思うがJUnitの方がやや情報量が多く、Eclipseに初めから同梱されているのでJUnitは認知度も高い。
TestNGは、単体テスト重視というより統合テストや高レベルなテストカテゴリまでカバーするように設計されており採用しても良い。


Web Testing

name URL Ver. Licence Recommend
Selenium http://seleniumhq.org/ ASL2.0
Jamelon http://jameleon.sourceforge.net/ 3.3-RC1 LGPL
JWebUnit http://jwebunit.sourceforge.net/ 2.1 BSD
HttpUnit http://www.httpunit.org/ 1.7 MIT
HtmlUnit http://htmlunit.sourceforge.net/ 2.4 ASL2.0
MaxQ http://maxq.tigris.org/ 1.0.3 BSD
Canoo WebTest http://webtest.canoo.com/ 2.6 ASL2.0
Selenium

CubicTestは個人的に注目しています。CubicTestについては別途紹介しようと思います。

Jamelon

ダウンロードして解凍するだけで使えるGUIツールであり日本語の情報が少ないがお勧め。
plug-inが豊富でかつ作成可能。

活動もかなり活発なので、注目していきたいと思います。

JWebUnit example

内部的にHtmlUnitを使用。

public class AppTest extends WebTestCase {
  public void testSample1() {
    setBaseUrl("http://jwebunit.sourceforge.net");
    beginAt("/index.html");
    assertTitleEquals("JWebUnit - JWebUnit");
  }
}
HttpUnit example

HTTPリクエスト/レスポンスを表すObjectを使用。

public static void main(String[] args) throws Exception{
    WebConversation wc = new WebConversation();
    WebRequest req = new GetMethodWebRequest("http://www.httpunit.org/");
    WebResponse res = wc.getResponse(req);
    System.out.println(res.getText());
}
HtmlUnit example

HTMLドキュメントを考慮した作り、HTMLドキュメントを表現したObjectを使用し、JWebUnitでも使用されている。

public void testSimple() throws Exception {
    WebClient webClient = new WebClient();
    HtmlPage page = (HtmlPage)webClient.getPage(new URL("http://htmlunit.sourceforge.net/"));
    assertEquals("HtmlUnit - Welcome to HtmlUnit", page.getTitleText());
}
MaxQ

maxq -r test.py

で実行可能(以下のscriptで動作)。

  • テストスクリプトを記録するHTTP proxyとテストをプレイバックユーティリティを含んでいてプロキシレコーダは自動的にフォームにポストされた変数をストアします。
  • MaxQ example test.py
from com.bitmechanic.maxq import HttpTestCase
from junit.textui import TestRunner
class SampleTest(HttpTestCase):
  def __init__(self):
    HttpTestCase.__init__(self, "")

  def testMaxq(self):
    print "Testing MaxQ"
    self.assertTrue(1 == 1)
    self.get("http://maxq.tigris.org/")
    #self.printResponse()
    print  self.getResponse()
if __name__ == '__main__':
  test = SampleTest()
  test.testMaxq()

個人的には、pythonの勉強がてらに良いと思います。

Canoo WebTest

各種設定ファイルを書くのが少々面倒。

Web Testingまとめ

Seleniumが認知度も使いやすさも良いが、Jameleonを個人的にはお勧めしたい。
もう少しJameleonとMaxQを掘り下げて触ってみたいと思う。
Javaに慣れた人であれば、jWebUnitHtmlUnitHttpUnitが直感的でありすぐ使いこなせる。
基本的には、WebのテストなのでJava以外でも使用可能。

負荷テスト

name URL Ver. Licence Recommend
JMeter http://jakarta.apache.org/jmeter/ 2.3.2 ASL
WebLOAD http://www.webload.org/ 8.3 GPL
Grinder3 http://grinder.sourceforge.net/ 3.1 GPL
OpenSTA http://www.opensta.org/ 1.4.4 GPL
Grinder3

パフォーマンスやスケーラビリティだけでなく、検証可能性(戻り値が正しいことを検証すること)がある。
テストスクリプトは(COM/Javaオブジェクトと統合された)JavaScriptで記述され、アプリケーションの全ての層をテスト
するための複数プロトコル(Web(AjaxをサポートしたREST/HTTP)、SOAP/XMLFTPSMTP)をサポート。
テストスクリプトを実行するために使用されるJythonスクリプトエンジンのサポート。
HTTPテストはHTTPプロキシおよびその他の変更を通じて実行することができる。
Grinder3に関しては実際に以下のスクリプトでテストしてみました。
以下で起動

java -cp grinder.jar net.grinder.Console
java -cp grinder.jar -Dgrinder.logDirectory="log/log.txt" net.grinder.Grinder

  • simple http sample
from net.grinder.script.Grinder import grinder
from net.grinder.script import Test
from net.grinder.plugin.http import HTTPRequest

test1 = Test(1, "Request resource")
request1 = test1.wrap(HTTPRequest())

class TestRunner:
  def __call__(self):
    result = request1.GET("http://grinder.sourceforge.net/")
    writeToFile(result.text)

def writeToFile(text):
  filename = grinder.getFilenameFactory().createFilename(
    "test", "-%d.html" % grinder.runNumber)

  file = open(filename, "w")
  print >> file, text
  file.close()

WebLOAD

オープンソース版では、いくつかの機能が限定されているが、もともと商用だっただけに成熟した製品かもしれません。
WebLOADは、Flexの負荷テストが出来るところも最大の魅力。
簡単な個人情報を入力すればダウンロード出来、インストールガイドのPDFとクイックスタートのHTMLが用意されている。
インストールにはpostgreSQLが必須で(インストールする際に自動でpostgreSQLもインストールされました)、実行するには同サイトからライセンスファイルをダウンロードし認証する必要がある。
AMFに加えてXMLSOAPとRESTを含む他のWebメッセージプロトコルもサポートされている。
動かしてみてかなり高機能な印象を受ける。

OpenSTA

負荷テストツールであり、操作方法が簡単で、ExcelCSV・TEXTなどの形式へのエクスポート及び図形で表示するなどの機能を備えています。
開発が2007年10月に1.4.4をリリースした後、活動が停滞していて、Windows環境でしか使用できないうえに
キャプチャ対象のブラウザがIE4〜6とNetScapeしか対応出来ておらず、専用のスクリプト言語を学習する必要もあるので選択肢からははずした方が良いと思う。
機能は豊富そうだがUIが直感的では無い。

負荷テスト まとめ

JMeterが情報量、認知度ともに高いが、個人的には、WebLOADとGrinder3に注目。
WebLOADでFlexのテストを実際に行ってから再度、評価したい。
Grinder3はMaxQと同様にjythonをサポートしているので、学習意欲があれば是非採用して欲しい。
OpenSTAは選択肢からはずした方が良いと思われる。

その他

Eclipse TPTP

Eclipseでテストとパフォーマンスツールのプラットフォーム
http://www.eclipse.org/tptp/

FindBugs

Javaコードのバグ検出のために設計されたオープンソースの静的分析ツール
http://findbugs.sourceforge.net/

Hudson

CIツール。多くのオープンソースで利用されており、インストールの容易さ、拡張性の高さ
情報量の多さに定評がある。CIツールでは最もお勧め。日本人ならHudsonを使用しないとモグリ。
https://hudson.dev.java.net/

Cobertura

テスト網羅率ツール
http://cobertura.sourceforge.net/

Emma

テスト網羅率ツール
http://emma.sourceforge.net/

FitNess

受け入れテスト。FIT+WikiサーバでWebからテスト記述出来、Excelシートからも貼り付けできる(動作確認していない)
http://fitnesse.org/

Stiq

StoryTestIQの略で、SeleniumとFitNessをマッシュアップ
Story Test-Driven Development http://industrialxp.org/storyTdd.html
http://storytestiq.solutionsiq.com/wiki/Main_Page(動作確認していない)

DBUnit

データベースを操作するクラスのテストプログラムを作成するためのフレームワーク
http://www.dbunit.org/

DBMonster

データベースにテスト用ランダムデータを入れてくれるツール
http://dbmonster.kernelpanic.pl/

EasyMock

モックオブジェクト
http://easymock.org/

jMock

モックオブジェクト
http://jmock.org/

XMLUnit

XMLスティングフレームワーク。完全一致だけではなく類似一致の検証も行える。
http://xmlunit.sourceforge.net/

UISpec4j

Swing GUIアプリケーションのTestを簡単に行うためのライブラリでJUnit,TestNG上に構築されている。
JDKのバージョン毎にバイナリが提供されており、5.xと6.xは2.0-RC3が最新。1.4.xは1.5。
http://www.uispec4j.org/
JTableの表示テストは以下の通り。

public void testContacts() {
  Table contacts = getMainWindow().getTable();
  assertTrue(contacts.contentEquals(new Object[][]{
    {"John", "12", Boolean.FALSE},
    {"Sylvia", "43", Boolean.TRUE},
    {"Bill", "31", Boolean.FALSE}}));
 }

id:kaisehさんにお勧めかも。